ずいぶん前から見よう見ようと思っていた映画をやっと借りてきた。
妻夫木聡と池脇千鶴が共演した、犬童一心監督の「ジョゼと虎と魚たち」
作家の朝井リョウが、小説 (確か「桐島、部活やめるってよ」だったと思う) の中で、登場人物に「絶対観た方がいい」というようなことを言わせていた映画で、とても気になっていたのだ。高校生のセリフだったはずで、実際観てみると、なるほど、そのくらいの年齢の若者に響くであろう、言い方を変えれば、響いてほしいと思える作品だった。私のようにすっかりオバサンになった者が観ても、確かに感じるものがあり、それはとてもくっきりとしたものなのだけれど、言葉で、これこれこういうことを感じた、と言ってしまうのは無粋な気がする。
それはおそらく、この映画が、「詩」と同じ種類のものだからではないだろうか。
そういえば「桐島、部活やめるってよ」を読み終えたとき、即座に最初から再読したのを覚えている。そんなことをした小説は、今のところこの一冊だけだ。思うに「桐島、__」もまた、私にとっての「詩」だったのだろう。
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