映画と本と言葉たち

観た映画や読んだ本についての一人よがりの感想などを、勝手気ままに綴っています。

ニライカナイからの手紙

2005年の熊澤尚人監督の映画「ニライカナイからの手紙」を観た。
泣けた。
こんな仕掛けが隠れているとは思わなかった。
私たちが生きているということに、意味があるるのかないのかは誰にも分からないことだと思っていたけれど、それはたとえば、宇宙とは何かというような広い意味で人を捉えた場合、
言い方を変えれば学問上での話だったのかもしれない。もっと狭い意味というか、別の捉え方をすれば、人は生き物である前に人であり、それぞれに生きる意味があるのだということを突きつけられた気がする。
少女のあどけなさを残した蒼井優が演じる主人公は、沖縄の風景に見守られながら懸命に生きていた。ストーリーとしては悲しい内容なのに、最初から最後までやさしい色が流れていたのは、何が起ころうと主人公が決して一人ではなかったからなのだろう。
言葉では表現できないことを表現するために映画や絵画や音楽があるわけだけれど、この映画は、言葉では表現できない大切なことを、さりげなく描いていたと思う。

ニライカナイからの手紙 [DVD]

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