2018年公開のアメリカ映画「ワンダー 君は太陽」を観た。
子どもが中心の物語なのだけれど、子どもたちに起こる出来事やその生活を通して、大人、子どもという言葉ではくくれない「人」そのものが描かれていたように思う。
日頃、人はみなそれぞれで、一人一人は本当に違うと感じているけれど、それは物の考え方、つまり頭の中のことを指していたのであって、生き物としての体の構造はこんなにも同じだったのだと気づかされた。体も心も同じ部分と違う部分の両方があるから、他者との共存が可能になったり有意義になったりするのだろう。
この物語には何人かの主人公が登場した。皆、素直できれいな心の持ち主で、孤独や悲しみの中にあっても自分を甘やかさず、逃げずに乗り越えていく姿が凛として見えて、胸を打たれた。
一方で「人生で最も大切な勇気は逃げる勇気だ」という言葉に私は最大限共感するけれど、甘えが原因で逃げたなら、結局は自分を追い詰めることになるのだろうと感じた。