映画と本と言葉たち

観た映画や読んだ本についての一人よがりの感想などを、勝手気ままに綴っています。

2022-01-01から1年間の記事一覧

正欲 (朝井リョウ)

朝井リョウ著「正欲」を読んだ。 深く静かな衝撃を受け、考えさせられた。 この社会にとって想定内のマイノリティと想定外のマイノリティがある、ということは、これまでほとんど意識していなかった。 「好み」という言葉があるけれど、好きだと思う気持ちは…

星を掬う (町田そのこ)

町田そのこ著「星を救う」を読んだ。 親子や家族の物語が、人生の物語でもあるのは、一人一人の生き方を描かなければ親子や家族の関係を描き出すことはできないからなのだろう。 「母親」という存在も、母親である前にひとりの人間なのだ、ということがこの…

パッチギ

2005年公開の井筒和幸監督作品「パッチギ」を観た。 話題になっていた公開当時から、いつか観ようと思っていたが、もう17年も経っていたことに驚く。 舞台は1968年の日本で、主人公は高校生。この映画を観て思い出したことがある。 いまから30年以上前のこと…

望み

2020年公開の堤幸彦監督作品「望み」を観た。 犯罪がストーリーの軸になっている映画はたくさんあり、これまでにいくつか観てきたが、大抵の場合、犯人は誰なのか、犯行はどう展開したか、という点に興味が集中するように思う。或いは、犯罪の意味や動機につ…

エイプリルフールズ

2015年4月1日公開の映画「エイプリルフールズ」を観た。 観終わったとき、やけに充実感があり、登場人物たちのこれからを心から応援したくなるような清々しい気持ちだった。 タイトルから推測して、コメディかなと勝手に思っていたが、総じて人間ドラマだっ…