映画と本と言葉たち

観た映画や読んだ本についての一人よがりの感想などを、勝手気ままに綴っています。

2018-09-01から1ヶ月間の記事一覧

プーと大人になった僕

映画館で公開中のディズニー映画「プーと大人になった僕」を観てきた。 娘がディズニーアニメの「くまのプーさん」が大好きで何度もみていたため、私も一緒に何度となくビデオで鑑賞している。 実写になっても、プーと100エーカーの森の仲間たちの世界は、少…

殿、利息でござる

阿部サダヲ主演の映画「殿、利息でござる」を観た。時代ものであり、人間ドラマであり、コメディでもある映画だった。一粒で三度美味しい、と言ってもいい感じだ。冒頭、イケメン俳優の瑛太が、いきなりコミカルな感じで現れたのが楽しく、なんだか面白そう…

ニライカナイからの手紙

2005年の熊澤尚人監督の映画「ニライカナイからの手紙」を観た。泣けた。こんな仕掛けが隠れているとは思わなかった。私たちが生きているということに、意味があるるのかないのかは誰にも分からないことだと思っていたけれど、それはたとえば、宇宙とは何か…

ママたちの下剋上

深沢七郎を読んでみようかと思い、図書館で「深沢」の棚を見ていて目にとまった。タイトルからして、一体どんな話かと思ったのだが、何か劇的な展開があるわけではなく、小学校受験に執着する母親たちのことを、子どもはまだいない主人公の目を通して書かれ…

おっぱいバレー

2009年に公開された綾瀬はるか主演の映画「おっぱいバレー」をみた。 バカバカしいようでいて、実は切実な何かに向かって夢中になったり懸命に努力したりするのが青春なのだろう。 青春でなくても、そもそも人の願いなんて、他者からみればどうでもいいこと…

妻が椎茸だったころ

この作家が8年前に直木賞を受賞した「小さいおうち」の文庫本を、表紙に惹かれて買ったのを覚えている。すでに映画化されたあとで、表紙には、うつむき加減の松たか子の横顔と、それを少し離れた所から黒木華が見つめている写真が使われていて、その純朴で従…

ジョゼと虎と魚たち

ずいぶん前から見よう見ようと思っていた映画をやっと借りてきた。 妻夫木聡と池脇千鶴が共演した、犬童一心監督の「ジョゼと虎と魚たち」 作家の朝井リョウが、小説 (確か「桐島、部活やめるってよ」だったと思う) の中で、登場人物に「絶対観た方がいい」…

異邦人(アルベール・カミュ/窪田啓作訳)

たまには外国文学にも触れてみたいと思いながら、普段はなかなか手を出せずにいるのだか、一昨日図書館に行ったとき、カミュの.「異邦人」を借りてきた。薄かったのと、最初の数ページが読み易かったのとで、読んでみようと思えた。全ての文をすんなり理解で…

青年のお礼

NHKラジオをつけていたら朗読のコーナーがあり、乃南アサの「青年のお礼」という短編を聞いた。朗読を聞くという形で小説を鑑賞するのも、味わい深いものがある。聞き心地の良さはアナウンサーという語りのプロが読み聞かせてくれているからだとは思うが、自…

貴婦人A の蘇生

一昨日、小川洋子著「貴婦人A の蘇生」を読み終わった。 小川洋子の描く世界は、いつも穏やかで優しく感じるが、それは描かれている世界そのものが穏やかで優しいから、ではないのかもしれないと気づいた。 どこかにある日常を描くとき、作者はそれを表現す…