映画と本と言葉たち

観た映画や読んだ本についての一人よがりの感想などを、勝手気ままに綴っています。

2018-11-01から1ヶ月間の記事一覧

殯の森

公開されてから、もう10年以上もたっていたとは思わなかった。 ストーリーの流れのようなものはあまり感じられず、ただ、死と生がそこにある、という印象だった。タイトルに「森」が入っているが、本当に森の中をさ迷う場面があり、というか、その場面がこの…

均ちゃんの失踪 (中島京子)

失踪した均ちゃんの家に泥棒が入った、という状況から始まる表題作を筆頭に、「のれそれ」「彼と終わりにするならば」「お祭りまで」「出発ロビー」と四つの短編が続くのだが、登場人物と時間の流れを共有していて、全体で一つの作品になっている。 最初から…

東京ウィンドオーケストラ

坂下雄一郎監督の映画「東京ウィンドオーケストラ」を観た。 あらすじを読んで、ドタバタのコメディを期待していたけれど、ドタバタ劇というほど忙しい感じはなく、どちらかというと呑気な雰囲気さえ漂っていたように思うが、それは舞台となった屋久島の、雄…

女中譚 (中島京子)

「ヒモの手紙」「すみの話」「文士のはなし」の三つの短編が収められた本で、どれも、すみという名のばあさんの語りであり、そのばあさんの若いころの話だった。満州事変、戒厳令、戦争、昭和、といった言葉が当たり前のように出てきて、そう遠くないように…

ふくわらい (西加奈子)

数年前から気になっていた作家で、芥川賞に輝いた作品を含め、著作はたくさんあるのだが、巡り合わせでこの「ふくわらい」を最初に読むことになった。 芥川賞作家はその年の話題になるので、姿を目にする機会もあり、その容貌や作品のタイトルから、無意識の…

本能寺ホテル

綾瀬はるか主演の「本能寺ホテル」を観た。 現代人が何かの弾みで遠い昔にタイムスリップする、という映画や物語が、その時代や場所を変えていろいろ作られているのは、時の流れを止めたり、遡ることができたから、と夢見る人が多いからなのだろう。 どんな…

嫁をやめる日 (垣谷美雨)

図書館で見かけて思わず手に取った。 初めて名前を見る作家だったが、タイトルに限りない親近感を覚え、これは読まなければと思ったのだ。 嫁姑の確執が描かれているのか、モラハラ夫が出てくるのか、それとも予想もしない展開なのかと、親近感の裏側で怖い…

ミリオンダラーベイビー

2004年のクリント・イーストウッドの作品「ミリオンダラーベイビー」を観ました。タイトルにどこか聞き覚えがあるような気がするたけで、あらすじも何も知らなかった私は、なぜか明るく派手な感じの映画を予想していたので、終わりが近づくにつれ予想外の展…

深夜食堂

人々の日常を淡々と描いたような、サラッとした映画をみたいと思い(サラッとした日常、という意味ではないのてすが)、ツタヤの中をうろうろしていて最後に棚に戻さず借りてきたのが「深夜食堂」でした。 私自身、深夜という時間帯をとても愛しているせいもあ…

ツバキ文具店 (小川糸)

この本は、友人が大好きな本だと言って紹介してくれたので、ぜひ読んでみたいと思っていた本てす。世の中の情報に疎い私は、NHKでドラマ化されたことも知らずにいましたが、やはり相当話題になった本のようで、図書館で予約したときはかなりの人数が順番待ち…