映画と本と言葉たち

観た映画や読んだ本についての一人よがりの感想などを、勝手気ままに綴っています。

2018-10-01から1ヶ月間の記事一覧

湯を沸かすほどの熱い愛

宮沢りえ主演の「湯を沸かすほどの熱い愛」を観ました。観てから3か月ほどがたつのですが、しばらくは感想を言葉にするのを避けたいような、観たものをそのまま自分の中に留めておきたいような、そんな感覚がありました。その感覚は今も薄れていませんが、こ…

被写体の幸福 (温又柔)

確か2日前だと思う、NHKの「朗読の時間」にまた出会えた。読まれたのは、おんゆうじゅう作(温又柔と書くことを後で知った)「被写体の幸福」だった。台湾人の女の子が主人公で、幼い頃の祖父との関わりと、成長して日本に留学してからのこととが描かれていて…

沈黙博物館(小川洋子)

今考えてみると、この作家の作品には、舞台が一体どこなのか、はっきりとは判らないものが多かったように思う。 この「沈黙博物館」もそうだった。どこかの村ではあるのだが、日本なのか外国なのか、どちらでもあるようでどちらでもないような、不思議な空間…

間宮兄弟 (江國香織)

この作家は短編集を何冊か読んだことがあったが、長編は初めてだったかもしれない。短編から受けたイメージとして、都会的な、あるいは知的な、または神秘的な大人の女性が登場するような印象があり、どの作品もスマートな雰囲気を纏っていたように思ってい…

にじいろガーデン (小川糸)

家族の物語であり、人生や恋愛を描いた物語でもあった。 出会いというのは、自分の意志でコントロールできるものではないと思う。友達や恋人なら、誰でもいいわけじゃなく、気の合う相手や好きな人を選んで付き合っているのかもしれないけれど、それにしたっ…