映画と本と言葉たち

観た映画や読んだ本についての一人よがりの感想などを、勝手気ままに綴っています。

異邦人(アルベール・カミュ/窪田啓作訳)

たまには外国文学にも触れてみたいと思いながら、普段はなかなか手を出せずにいるのだか、一昨日図書館に行ったとき、カミュの.「異邦人」を借りてきた。薄かったのと、最初の数ページが読み易かったのとで、読んでみようと思えた。全ての文をすんなり理解できたわけではないが、主人公の物の見方、というのか、生き方というのか、そんなようなものが伝わってきて、人の生き方にパターンなどないのだと思えた。日頃、生き方にパターンがあると感じていたわけでもないが、人生とはこういうもの、とか、人は皆違うけれどその上で人間とはこういうもの、という枠組みを無意識のうちに与えられている気がする。その枠がどんなに広大で曖昧なものであっても、やはり枠には違いないのだろう。
この本の背表紙に、「通常の論理的な一貫性が失われている男ムルソーを主人公に、不条理の認識を極度に追求したカミュの代表作」とあるが、読み終えた直後はこの解説に違和感を持った。でも、私の思う「枠組み」は、「通常の論理的な一貫性」と言い換えられるのかもしれない。

異邦人THE STRANGER (金原瑞人MY FAVORITES)

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