映画と本と言葉たち

観た映画や読んだ本についての一人よがりの感想などを、勝手気ままに綴っています。

2018-01-01から1年間の記事一覧

ママたちの下剋上

深沢七郎を読んでみようかと思い、図書館で「深沢」の棚を見ていて目にとまった。タイトルからして、一体どんな話かと思ったのだが、何か劇的な展開があるわけではなく、小学校受験に執着する母親たちのことを、子どもはまだいない主人公の目を通して書かれ…

おっぱいバレー

2009年に公開された綾瀬はるか主演の映画「おっぱいバレー」をみた。 バカバカしいようでいて、実は切実な何かに向かって夢中になったり懸命に努力したりするのが青春なのだろう。 青春でなくても、そもそも人の願いなんて、他者からみればどうでもいいこと…

妻が椎茸だったころ

この作家が8年前に直木賞を受賞した「小さいおうち」の文庫本を、表紙に惹かれて買ったのを覚えている。すでに映画化されたあとで、表紙には、うつむき加減の松たか子の横顔と、それを少し離れた所から黒木華が見つめている写真が使われていて、その純朴で従…

ジョゼと虎と魚たち

ずいぶん前から見よう見ようと思っていた映画をやっと借りてきた。 妻夫木聡と池脇千鶴が共演した、犬童一心監督の「ジョゼと虎と魚たち」 作家の朝井リョウが、小説 (確か「桐島、部活やめるってよ」だったと思う) の中で、登場人物に「絶対観た方がいい」…

異邦人(アルベール・カミュ/窪田啓作訳)

たまには外国文学にも触れてみたいと思いながら、普段はなかなか手を出せずにいるのだか、一昨日図書館に行ったとき、カミュの.「異邦人」を借りてきた。薄かったのと、最初の数ページが読み易かったのとで、読んでみようと思えた。全ての文をすんなり理解で…

青年のお礼

NHKラジオをつけていたら朗読のコーナーがあり、乃南アサの「青年のお礼」という短編を聞いた。朗読を聞くという形で小説を鑑賞するのも、味わい深いものがある。聞き心地の良さはアナウンサーという語りのプロが読み聞かせてくれているからだとは思うが、自…

貴婦人A の蘇生

一昨日、小川洋子著「貴婦人A の蘇生」を読み終わった。 小川洋子の描く世界は、いつも穏やかで優しく感じるが、それは描かれている世界そのものが穏やかで優しいから、ではないのかもしれないと気づいた。 どこかにある日常を描くとき、作者はそれを表現す…

コードブルー --ドクターヘリ 緊急救命 --

今日はDVDでなく、映画館で映画を観てきた。 山下智久主演の「コードブルー --ドクターヘリ 緊急救命 --」 このシリーズのテレビドラマも過去の映画も、一度もみたことはなかったが、存分に楽しめた。泣き所も多く、気持ちいいほど涙が出た。 こんなに泣けた…

きみに読む物語 - The Nootbook -

2004年のアメリカの映画「きみに読む物語」を観た。 内容としては分かりやすいラブストーリーだった。構成の仕掛けによって感動が増幅したように思うが、見終わった直後は、言葉に出来ない何かがまっすぐ胸に届いてきた。 たったひとりの人を、文字通り死ぬ…

あやしい彼女

「青春なんて若いヤツにはもったいない」という言葉があったように思うが、若いときには、若さがどんなものかはわからないものだ。 今日観た映画「あやしい彼女」は、孫のいるおばあちゃんの肉体だけが50 歳も若返り、しばらくの間若者として生きるという内…

山本周五郎中短篇秀作選集1

文学賞に「山本周五郎賞」というものがあることを知って以来、いつか山本周五郎の作品を読んでみようと思っていた。それが実現したのが2~3年前だったろうか。 「さぶ」と、ほかにいくつかの短篇(藪の陰など)を読み、なんて美しい小説を書く人なのだろうと胸…

8月の家族たち

最近、よくツタヤに行ってDVDを借りて観ているので、何を観たかの記録も兼ねて感想なども書いておくことにした。 今日観たのは、メリルストリープとジュリアロバーツが共演した「8月の家族たち」 何か笑えるものが観たいと思い「コメディ」の棚から選んだの…